「もう遅い」を理由にしない

 2017-08-28
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「臨界期」とは、生物の発達過程において、
その時期を過ぎるとある行動の学習が成立しなくなる限界の時期
だそうです。

例えば、「絶対音感」などは
4歳までが重要で(色々な説があります)、
それまでに「絶対音感」を身につけさせてあげないと
一生に一度のチャンスを失ってしまう・・
などと言われていますが、
今は「臨界期」がきっちりと決まっているワケではなく、
「この時期を逃しても習得はできるがより難しくなる」
と言う風に考えられているそうです。

「臨界期の根拠」とされている代表的な研究として、
生まれたばかりの子猫の片目を遮蔽し、
数週間、そのままにしておいたら、
遮蔽された目は目に映ったものが
何であるかを認識する機能が失われていた・・と言う実験があります。
この実験はインパクトが強く、
このエピソードばかりが取り上げられますが、、
実際は「片目を交互に遮蔽する」とか「両目を遮蔽する」とか
「片目or両目の遮蔽実験を臨界期の前・中・後で行う」など、
その他にも様々な実験が行われていたそうです。

結果、臨界期はその期間に沢山の刺激を与えれば機能が増し、
与えなければ機能が低下する・・と言った単純なものではなく、
臨界期に与えられる刺激が量的に少なくても何の障害も起こらない事もあるし、
一旦、視力低下が起こったとしても、
その後の刺激の与え方によっては回復する事もある・・
と言う事が分かったそうです。

つまり、「臨界期」は固定的なものではありませんし、
「その時期を逃したら手遅れになる」と言うような決定的な時期ではないそうです。
だから現在では「臨界期」と言う言葉は誤解を招くとして、
「敏感期」や「感受期」と呼ばれるようになったそうです。

「乳幼児の「かしこさ」とは何か」より)

人間の脳はまだまだ、分かっていない事が多いみたいですが、
記憶できる量は有限なので、重要度の高い刺激はより強く記憶され、
記憶を呼び出すパイプも太くなりますが、
重要度の低い刺激はポイプも細く・・つながりも弱くなってしまうので、
昔のあまり必要の無い記憶ほど思い出せなくなってしまうのだと思いますが、
そうして重要度の低い記憶領域を消去するからこそ
重要な知識や経験をより多く記憶できるのだと思います。

だから、例え「敏感期」に重要な能力を会得したとしても、
それを伸ばし、必要とする環境でなければ、
その能力は「不必要」とされて消えてしまうかもしれないし、
「才能」と「環境」が整っていたとしても、
「やる気」を持たせてあげたり、持続できるようなサポートがなければ、
その能力が開花する可能性は低くなってしまうかもしれないみたいです。

結局の所、世間で言われているほど「臨界期」は絶対ではなく、
多少、時間はかかるものの、
後からでも能力を得る事ができると言う事で、
それは、犬の場合も同じだと思います。
「ペットショップの子だから」とか「保護犬だから」と言う理由で
成犬になったら可能性が無くなってしまうワケでは無く、
「環境」を整えてあげたり、
必要な刺激を得られるようにサポートしてあげたり、
その行動にメリットを与えてあげるなど、
「やる気」を持たせてあげるのが大切だと思いますが、
気質的な影響から習得が難しい・・無理に近い事もあると思いますので、
その子に合った能力を伸ばしてあげるのが良いと思います。

しかし、「もう○歳だから手遅れです」と
「臨界期」を理由にして犬のしつけやトレーニングを断る人も多いみたいです。

1歳を過ぎて、犬の行動に問題が出た時、
「どうにかして欲しい」とお願いをしに行ったら
「仔犬からじゃないと教えられない」と断られたり・・

「才能があって、反抗期をまだ迎えてなくて、、
 他の楽しい事を知らない犬だったら教えられる」
と言う事でしょうか?

人間だったら、そんな事を言われた途端、
さっさと他の先生の所へ行くと思いますが、
犬の場合は飼い主さんの方がその言葉を受け入れてしまい、
「もう、手遅れなのか」と諦めてしまう事は多いみたいです。

それだけ、犬の年齢で判断する人が多いのかもしれませんが、
犬も環境を整えてあげたり、
「新しい学び」を「楽しい」と思えれば、
何歳からでも大丈夫ではないかと思います。

飼い主さんだって幼い頃から犬を飼っていて、
適切な刺激を受けていなければもう手遅れで、
成人した後では犬の事なんて分からなくなる・・ワケではなく、
何歳になっても「犬の事を知りたい」と言う気持ちがあり、
その知識欲を満たしてくれたり、
正しい経験を与えてくれる人や環境が整っていれば、
何歳からでも犬の気持ちに共感できると思いますので、
「もう○歳だから」と言った年齢を理由に
犬と自分の可能性の広がりを閉じてしまうのは勿体無いと思います。(^▼^)ノ
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