犬と生涯学習

 2017-01-06
02DSC00067.jpg

人間の子供は「3歳まで」とか「1歳まで」が大切と言った理由で
「早期教育」が推奨される事は多いですが、
早期教育の重要性や必然性の根拠となる3つの理由として、

1・「乳児期に脳が発達し、
   細胞間の結合(シナプス)の数が飛躍的に増加する事」

2・「臨界期」

3・「小さい頃に多くの刺激を得られる豊かな環境を提供してあげる事で、
   脳内の結合(シナプス)がより多く作られる」

と言うのがあるのだそうです。

つまり、早期教育の根拠となっているのは「脳の発達」で、
特に「乳児期初期における脳の発達」が重要なのだそうです。

ちなみに脳内の神経細胞(ニューロン)は、
他の神経細胞と結合し「シナプス」を介して情報を伝達しあうそうで、
脳は生後、間もない時期からシナプスを形成し、
生後二ヶ月頃に急激に増加・・
その後、10ヶ月頃にピークを迎えるそうですが、
以降、あまり使われないシナプスは除去されて行き、
少しずつ減少しながらも10歳ぐらいで
成人レベルの密度となるそうです。

こうした、シナプスの「増加」と「減少」から、
乳児期初期の急激な増加に目をつけたのが
「早期教育」の根拠の一つであり、
「脳の発達が著しい1歳までが早期教育に最適な時期」だとして、
この時期に「一生の脳の働きが決まる」などと主張されているそうです。

また、子供のラットの研究においては、
単純で刺激の無い環境や一匹だけ隔離された環境に置かれたラットよりも
多数のラットと共に生活をさせたり、
複雑な環境に置かれたラットの方がシナプスの密度が高く、
「迷路学習課題」もより速く、よりよく実行できた事から、
幼少期の「豊かな環境」が脳のシナプス密度を高め、
「シナプス密度が高い方がよりよい学習が可能になる」
と言った主張がなされるようになり、
人間の子供においても豊かな環境で
より多くの刺激を与えてあげる事によって
優れた知能と学習能力の獲得につながる・・
とされるようになったみたいです。

しかし、多数のラットと共に暮らし、
複雑で刺激の多い環境で育てた方が良いと言っても、
実際は単純で刺激の無い環境や
一匹だけ隔離された環境と言う方が異常で、
野生のラットが普通に暮らしていれば、
脳のシナプス密度は高められる結果になる為、
「多くの刺激を与えられる豊かな環境」
と言うのはどう言ったものなのか?
刺激の与え過ぎは逆効果になり得ますから、
ラットの研究結果と同じ事が人間にも言えるか?と言いますと、
まだ、その部分は証明されたワケではないそうです。

また、シナプスの増加と減少についても
シナプスはよく使われる結合は強化され、
あまり使われない結合は取り除かれる為、
乳児期初期にシナプスを多めに作っておく事は
脳になんらかの障害が起きた時の為の保証・・
代用品やスペアの意味があると言う考え方もあって、
シナプスの増加と減少には重要な理由があり、
シナプスの数が多ければ良いと言う事では
必ずしも無いそうです。

また「臨界期」も
「生物としての学習機会の消失」や
「行動の学習が成り立たなくなる限界の時期」
などと言われていますが、
今は「この時期を逃したら手遅れになる」と言う事は無いと
考えられているそうです。

勿論、「習得する事はできるけど、より難しくなる・・」
と言う事はあるみたいですけど・・

ちなみに「臨界期」のエピソードとして、
生まれたばかりの子猫の片目を遮断して、
数週間、そのままにしておくと、遮断された方の目は、
映ったものが何であるか?を認識する機能が失われた。
と言う実験結果があるそうです。
その後、片目を交互に遮断する・・
両目を遮断する・・
あるいは片目・両眼遮断実験を「臨界期」と呼ばれる時期の
前・時期中・後に行うなどの実験を繰り返した結果、
「臨界期はその時期に沢山の刺激を与えれば機能が増し、
 与えないと機能低下が起こる」と言うような単純なものではなく、
臨界期に与えられる刺激が多くても、少なくても、
何の障害も起こらない事もあるし、
一旦、視力が低下しても、その後の刺激の与え方によっては
回復する事があると言う事が分かったそうです。

つまり、「臨界期」は絶対的なものでも、
また、その時期を逃したら手遅れになるものでもない為、
今は「敏感期」や「感受期」と言った言葉が
使われるようになったみたいです。

ちなみに「スウェーデン」「アメリカ」「日本」において、
どの国の子供も産まれたばかりの頃は
「L」と「R」の発音を聞き分ける事ができたそうですが、
生後六ヶ月になると、日本の乳児だけ
「L」と「R」の発音の区別ができなくなる子が増えたそうです。

まぁ、それだけ聞くと、
「日本人の子供にも「L」と「R」の聞きワケが
 できるようにさせてあげないと!」と思って
焦ってしまいますが、日本語環境において
乳児に「L」と「R」を聞き分ける必要性はありません。

つまり、生きて行く上で必要の無い能力は消失して行くと言う事であり、
そうして、使わない・・必要性の無い能力が消失して行く事によって、
重要な能力はより強固に・・・
より素早く処理できるようになって行くのだそうです。

親はついつい、子供の将来を考え、
あらゆる危険に対応できるように・・
将来、どんな才能が発揮できても良いように・・
と習い事をさせてあげたいと思ってしまいますが、
すべての事・・あらゆる事が起きると予想し、
それに対応できるようしておくと言う事は、
余計な事まで考えてしまって処理速度が落ちてしまいますし、
エラーも起こりやすくなってしまうそうです。

人間の脳には限界があります。
記憶し、処理できる能力も決まっているのですから、
新しい事を学び、重要な事を効率良く行う為には、
不必要な事は忘れて行く必要があると思います。

乳児期はこれから生きて行く環境に適応する為に
沢山のシナプスを作りますが、
実際に生きて行く中で不必要な部分は除去されて行きます。
そして、その環境に合ったモノの考え方や行動ができるようになり、
「思考の習慣」として定着して行くそうですから早期教育にこだわらず、
人間社会の中でどう生きて行くか?
学校の勉強よりも大切な事を学ばせてあげる事は大切だと思いますし、
昔は「脳細胞はドンドンと死んで行く」と言われ、
「歳をとると新しい事は覚えられない」とされていましたが、
今は「脳は生涯を通して発達を続け、学習によって変化する」
とされていますから、
年齢を理由に学ぶ事を怠ってしまうのは
凄く勿体無い事だと思います。

また、こうした事は犬にも同じ事が言えると思いますから、
「もう○歳だから手遅れ」とか「老犬だから仕方がない」と言わずに、
その子に合ったペースで
新しい事を教え続けてあげる事も大切では無いかと思います。 (^▼^)ノ
カテゴリ : トラックバック(-) コメント(-)
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫