幸せになる勇気

 2014-06-01
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オーストリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラーが
20世紀初頭に創設した「アドラー心理学」と言うのがあります。
世界的にはフロイトやユングと並ぶ
「心理学の三大巨頭」と言われているそうですが、
なぜか日本での知名度は驚くほど低いそうです。

「どうすれば人は幸せに生きる事ができるか?」と言う哲学的な問いに、
きわめてシンプルかつ具体的な答えを提示してくれますが、
特徴的な考え方の1つに「トラウマの否定」があると思います。

犬が「犬や人間を見ると吠える」・・
「人間の手からおやつを食べられない」・・
「ハウスに引きこもる」とか「ごはんを食べない」などの行動を見せると、
多くの場合、そうなった原因を考え、
「過去に厳しいトレーニングをしてきたから」とか
「小さい頃にお散歩に行かず、
 犬や人に会わせなかったから社会性が身についていない為」とか、
「自分が甘やかして育ててしまったから」などと原因と結果を推測しますが、
アドラー心理学では過去と現在の因果関係を重視しないそうです。

それは、なぜか?と言いますと、
もし、「過去の出来事によって現在の行動が決まる」としたら、
全ての犬が厳しいトレーニングをしたら、
犬や人を見ると吠え、人間の手から食べ物を食べず、
ハウスに引きこもって食事を拒否しなければなりませんが、
必ずしも犬がそうなるわけではない・・
「現在の行動」が全て「過去の出来事」によって決定しているわけではない・・
と言う考え方だからだそうですし、
大切な事は、そうした過去に対して「どう言った意味づけをするか?」だそうです。

「いかなる経験も、それ自体は成功の原因でも失敗の原因でもない・・
 人は自分の経験によるショック・・
 いわゆるトラウマで苦しむのではなく、
 経験に与える意味によって苦しんだり、前に進んだりする」のだそうです。

「保護犬」などは「保護犬だから仕方がない」と言われる事が多いのですが、
過去の経験があるから「もうダメだ・・」と考えるか、
過去の経験があるけど「それが何?」と、
これから楽しく暮らして行けるように頑張ろうと考えるか?
そんな風に「自分がこれから犬と一緒にどう生きるか?」を選ぶのは、
「過去の出来事」ではなく「飼い主さん自身」だと言う考え方だそうです。

しかし、そうは思っても自分には無理・・
他の飼い主さん達は楽しそうにしてて羨ましいけど、
自分には時間がないし、環境も悪い・・
知識も経験も根気も自信もないから無理・・
と、やる前からあきらめてしまう事もありますが、
アドラー心理学では、
それは「やれない」のではなく「やりたくない」から
「できない理由を作り上げている」と言う事かもしれないそうです。

犬が犬を見て「吠える」にしろ「隠れる」にしろ、
犬の行動は全て、
そこに何かしら「自分にとってのメリット」があるから行っていると考えられますが、
それは、飼い主さんにも同じ事が言えると思います。

では、飼い主さんの「やりたいけどやらない」と言う理由は何なのでしょう?

例えば、自分の犬が他の犬を見ると吠えてしまって困っている・・
他の飼い主さんの犬は他の犬達と楽しそうにしているけど、
自分は対人関係が苦手なので、
その飼い主さん達に話しかけて仲間に入れて貰うとか、
犬同士が仲良くなる方法を教えて貰うと言った「勇気」が持てない・・・

「話しかける不安」と「話しかけない事による不満」を天秤にかけた結果、
「やる事」よりも「やらない事」の方にメリットを感じ、
その言い訳として「うちの犬が吠えちゃうから」とか
「うちの犬は犬が苦手だから」と「やれない理由」を作ってしまっている・・
など、今の犬との暮らしに少しぐらい不自由な所があっても、
「今のままでいた方が楽」だと思ってしまえば、
「やりたい」と思っていても変われない事は多いそうです。

また、もしも、新しい「しつけ法」などを取り入れてしまい、
犬との暮らし・・生活スタイルを変えてしまったりすると、
犬の行動がどう変化するのかが分からなくなる・・

今のままなら、目の前で犬が吠えたとしても、
どう対処をすればいいか?
そして、その結果、どのような事が起こるのかが経験から予測できますが、
接し方を変えてしまったりして、
犬が今までとは違う行動をした時にどう対処をすればいいかも分からない・・
今まで以上の努力もしなければいけないかもしれないし、
できないとトレーナーさんに怒られるかもしれない・・
もっと苦しく、もっと不幸な生活が待っているのかもしれない・・
と、未来が見通し辛くなり、
結果として、色々と不満はあるかもしれないけど、
これまで通りの生活を送った方が楽であり、
安心だから「やらない」と言う選択をしてしまうのかもしれないそうですが、
だからと言って、その言い訳として、
犬や他者のせいにしてしまうのは違うと思います。

・・な~んて書いていますが、自分も最初に読んだ時は、
自分の事を書かれているようでグサグサと胸に突き刺さりまくりでした(笑)

「心理学」と言うと「他者がどう考えるか?」と言う風に考えていましたが、
「アドラー心理学」は「個人心理学」と言われるように、
「自分の心をどう動かすか?」と言う事を中心に書かれています。

「世界は自分の主観の持ちようによっていかようにもなる」と言う感じなので、
心理学と言うよりも「哲学」とか「新しい考え方」と言う印象を持ちましたが、
「トラウマ」を探す事よりも「これからを考える事が大切」とか、
「犬の行動を見るのではなく、 その行動を通して
 犬がどこにメリット(目的)を感じているか?」を考えるのが良いと言うような考え方は、
僕も今まで漠然と持っていた考え方ですが、本を読む事で、
より、明確に意識付けられたのは良かったと思います。

過去の原因を考えて、今、できない理由にするのではなく、、
「どんな生まれ育ちをしていても、これから次第でどうにでもなる」
と言う考え方はとても前向きだと思います。(^▼^)ノ
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