犬は人の視線を理解するか?

 2012-05-31
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犬のトレーニングの中には
「アイコンタクト」と言うものあります。
飼い主が犬にコマンド(命令)を言う前段階として用いられ、
犬の視線を飼い主の視線に合わせる事で飼い主を意識させ、
コマンドを伝えやすくする事を目的とするみたいですが、
犬はとても耳が良く、
目を見させなくてもコマンドは伝えられると思うので
個人的には「アイコンタクト」の必要性が分かりませんが、
それ以前の問題として犬は人の視線を理解するのでしょうか?
人の目には黒目と白目がありますが、
実は人以外のほとんどの霊長類には白目が無いそうです。
犬も穏やかな暮らしをしていると目が穏やかになり、
目尻が下がって白目が見えてくることがありますし、
ボーダーコリーなどは”目力”によって
羊を動かすと言われていますが、
果たしてどうなのでしょう?

犬達の動きを見てみると、
一斉に一点を見る事もありますが、
その多くは、その方向から物音がした場合など・・
他の犬の視線を気にしたと言うよりは
物音に一斉に反応したと言う方が多いと思います。
しかし、1頭が外に向かって吠えた時などは
それに合わせるように、
吠えつつ外の様子を伺う場面が見られます。
ただし、これもシチュエーションによって反応に違いがあり、
出入り口や窓ガラスなど、過去に警戒をした記憶がある場合は
それを元に警戒しますが、
初めての場所・・または警戒するような物も音も無い場合、
吠えている犬に合わせて吠えたりはするものの、
何に対して吠えているのか分からず、
キョロキョロとしている事も多いです・・

ちなみに「視線」から他者の注意の方向を検出する事を
「視線追従」と言うそうです。
他者が注意を向けているものを見つける事ができる能力を
人では生後9ヶ月を前後に発達し、
チンパンジーでは1歳頃から実験者の指さしや頭の向きに
自分の注意を向けることができるようになるそうです。
ただ、人とチンパンジーの大きな違いとして、
人は他者の注意に「視線追従」した後、
再びその他者と目を合わせ注意を共有する
「共同注意」ができるものの、
チンパンジーはこのような注意の共有は
ほとんど見られないそうです。
ただ、人の手によって育てられたチンパンジーは
もう少し複雑なやり取りができると言う報告もあるそうですし、
犬は?と言いますと、
犬も人との係わり合いの中で
「視線追従」をする事は可能だそうです。
それも人間で言う所の6ヶ月から2歳の子どもと同じ程度で
人の視線を追う能力を持つ事が示された
そうです。
同じように「共同注意」のようなものは、
人との係わり合いによって可能になると思います。
散歩中、不審な物や変な物音がした時など、
そちらの方を見た後に飼い主の方を見る犬も居ます。
そこで飼い主がニッコリと笑って
「大丈夫だよ」と話しかけると安心して再び歩き出す・・
そう言う場合、犬同士が顔を見合わせて
「大丈夫だよ」と確認しあう事はあまり無いので、
これは犬と人の間にのみ交わされる
コミュニケーションと言えるかもしれません?
でも、それも経験や学習による行動だと思います。
犬同士で顔を見合わせないのは、犬は他者の心が理解できないので
もともと、犬が犬に自分の不安を語りかける事はありませんし、
もし犬が不安から他の犬の事を見たとしても、
見られている犬はその意図が理解できないので見返さない・・
結果、見ていた犬もリアクションが無いので見なくなると思います。
その点、人は共感する心を持っていますので、
犬が不安そうにしていたら犬を見て語りかけたり、
抱っこをしたりして不安を取り除こうとしてあげます。
犬もそれで不安が解消されると、その事を記憶するので、
次に何かあった時、飼い主さんに助けを求めるようになります。
そう言う意味では、人と人はお互いに心配し合う「共同注意」なのに対し、
犬のそれは自己中心的なモノかもしれませんが、
犬が不安を抱えた時に人を見ると言う事は凄い事だと思います。

でも、逆に言うと、
不審な物や変な物音がしても
飼い主は知らん振りをして歩いて行ってしまう・・
怖くて動きたくないのにリードを引っ張って無理やり近づけようとする・・
または「ちゃんと歩きなさい!」と叱られる・・
それでは犬は飼い主さんの顔を見ようとは考えないと思います。
お散歩中に犬と何回、目が合うか?
犬が困ったり不安な時に飼い主の顔を見るか?
そう言った心のつながりを作る事はとても大切ですし
そこから全ての事が始まるのでは無いかと思います(^▼^)ノ
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