犬と人の相互効果による学習

 2012-05-25
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「沢山、お散歩をして経験を積ませましょう!
沢山、お散歩をするとストレスが解消され、
 問題行動を行わなくなります」

と、よく言われますが、
本当にそれで良くなるのでしょうか?

年配の方が連れている犬は
一日に何度もお散歩に行く事が多いですが、
そのわりに人や犬を見ると逃げたり無視をしたり・・
吠えて追い払おうとしたりと、
犬や人に対して過剰反応をする事も多いように思えます・・

年配の方の犬への接し方を見てみると、
「お友達よ~、大丈夫よ~ 吠えちゃダメでしょ~」と
犬に話しかける他、見せたり、対象に近づけたりして
慣らす事で犬に安心させようと言う教育法に思えます。
でも、犬が頑張っても褒める事をしないので、
犬も自分の行動に対するフィードバックが無く、正解が分からない・・
逆に相手の犬に吠えられたりと、負のフィードバックはあるので、
ドンドンと行動が萎縮し、
自分の身を守る為に逃げたり攻撃的になってしまうのだと思います・・

人と犬のコミュニケーションで考えると、
犬と人が持つ特別な関係性として有名なのが、
犬が人の指差しを理解すると言うものです。
ただし、これは犬が生得的に備えた能力では無く、
訓練などの学習で身についた
後天的な能力である事は忘れてはいけません。
同じくチンパンジーも人間との関わりを持つ事で
指差しの意味も理解するそうですが、
チンパンジーの指差しは面白い事に
対象物に指がくっついていると、
指し示す意味を理解するそうですが、
対象から5cmほど指を離すと
指と容器との関連性が理解できなくなるそうです。
(ただ、練習する事で30cmから1m以上離しても
 理解できるようになります)

つまり、犬もチンパンジーも人間が教えてあげなければ
ある一定のレベルから先へは行けないと言う事だと思います。
まぁ、飼い主さんの中には、
犬に何かを教えるなんて可哀想・・
犬は自由にのびのびと過ごさせてあげるのが一番!
と言う考えの方も多いと思いますが、
そう言う人こそ「クリッカー」を使った
ゲームを楽しんでみるのも良いのでは無いかと思います。

「クリッカー」は犬の自主性を重んじます。
一般的なしつけ法が「命令」や「力で強制する」のに対し、
クリッカーは、
犬に声をかける事も無ければ
犬に触れる事もありません。
犬が「嫌だな・・」と思えば拒否してもOKです♪
ただ、それはあまり上手いクリッカーの使い方とは言えません・・
簡単な問題から徐々に難度をあげて行くクイズみたいなもので、
正解のピンポンの音の代わりにクリッカーを鳴らし、
商品の代わりにおやつを与えます。

室内だけでは無く、散歩中の引っ張りにも応用ができ、
引っ張ってリードが張ったら飼い主が足を止めます。
飼い主が足を止めたまま、声もかけず目も合わさずにいると
犬の方から飼い主を見るようになり、リードの張りが緩みますので、
そのタイミングでクリッカーを鳴らしておやつを与えます。
そして、再び歩き出し、リードが張ったら同じ事を繰り返します。
犬の方も何度か続けるとルールを理解しますので、
飼い主に意識を向けるようになって引っ張りも無くなって行くと思います。
最初は室内で練習して徐々に距離を伸ばし、
最終的には外で練習するのが良いみたいです。

「犬はつねに飼い主を喜ばせる事を考えている」
と言う風に思っている人も多いですが、
実際は飼い主さんが何を求めているかなんて
考えていない犬の方が多いです。
いや、正確に言うと、犬自身が
「嬉しい事が起こる為に飼い主さんに
 どう言う事をしたら良いか」
を考えない・・
関連性に気付いていない犬が多いと言う事です。
でも、クリッカーを使いだすと、
犬も正解のおやつが欲しいので
飼い主さんに注意を向けるようになります。
飼い主さんは飼い主さんで犬への教え方が理解できますので、
より犬にも伝わりやすくなる・・
特にクリッカーを行うようになると、
飼い主さんは犬の細かい行動に注目し、
行動結果に期待するようになりますので、
犬の方も飼い主さんに注目され期待されている事が分かり、
嬉しくなって学習意欲が上がる事が多い気がします。
こう言った現象を「ホーソン効果」と言うそうです。
犬にも「ホーソン効果」があるかどうかは分かりませんが、
犬任せの放任主義だった頃と比べ、
犬に注目し、犬の成長を期待するようになると
特別な事はしなくても犬の行動や心理状態が
良くなる事が多いのを見ると、
何も教えない方が犬は幸せ・・と言うのはどうなのかな?
と思いますね(^^)
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