「幸福な犬」 渡辺 眞子(著)

 2010-07-25
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渡辺 眞子さんの「幸福な犬」です。
この方は「犬語でI LOVE YOU」と言う本で書かれているように、
子供の頃からわんこと共に暮らしており、
わんこがそばに居る事が当たり前の生活を送られてきたそうですが、
年齢を重ねる事でペットロスからの立ち直りが遅くなり、
もうわんこを飼う事は無いだろうと考えていた所、
母親が痩せてて食も細い
トイプードルの「くーた」を貰ってきた所から
慌しい生活が始まります。(^^)

「くーた」の出身はペットショップ・・
店内のサークルの中に沢山の仔犬が押し込められ、
汚れた床の上を仔犬が歩き、
来店したお客さんが消毒もせずに仔犬を抱きかかえ、
人間の赤ちゃんのように「高い、高い」をしても
店員さんは何も言わない・・
そんなペットショップで売られていたそうです。
アレルギーなのか耳が真っ赤になる程腫れ、
その治療の為に動物病院を何軒も巡っても一向に治らず、
最終的に動物病院について詳しいお友達に教わった病院でダニだと分かったそうですが、
不衛生なショップ・・いや、その前の繁殖屋の影響なのか、
数々の寄生虫や病気、
早期に母犬から引き離された事により、
神経質で精神的なか弱さも持っていたそうです。

わんこが居ない時期にセミナーなどできちんとしたしつけ法も勉強され、
元々、長い間、わんこと暮らしていたし、
それまでのわんこは殆ど、手がかからなかった事もあって、
少なからず自信があったそうですが、
「くーた」を通して初めての訓練士さんに教わったら、
「今!誉めて!遅い!もっと明るい声で!もっとハッキリと!」と
トーンやタイミングが間違っており、
わんこには分かりにくかった事が分かったそうです。
実際、この辺はいくら本を読んでも難しいと思いますし、
間違ったタイミングで誉めたり怒ったりすると
わんこが理解できずに混乱してしまう事もあるので注意ですよね(^^)

そんな感じで、分かっていながらも
先入観もあって昔ながらの飼い方からなかなか抜け出せずにいた渡辺さんが、
海外や動物行動学などに沿った接し方を勉強する事で
昔ながらの飼い方の問題点を発見し指摘して行く行程はとても分かり易いと思います。
ついつい人間は「かわいい」と「かわいそう」の2択で判断してしまいがちです・・
「かわいい」から人間の食べ物を与えてしまう・・
「かわいい」からなんでも言う事を聞いてしまう・・
「かわいそう」だから吠えていても止めずに吠えさせてしまう・・
「かわいそう」だからリードを外してあげてしまう・・
「かわいそう」だから歯磨きなどわんこの嫌がることはしない・・
・・とかね。
本に載ってるしつけ法とか理解しているつもりなのに
感情に負けて実践できない人は多いと思います。
その結果、肥満や内臓への負荷。
わんこが我を通すようになってギャンギャン犬になる・・
近所迷惑になってマンションに居られなくなる・・
他犬と喧嘩になったり車にひかれそうになる・・
歯周病になって早死にしてしまう事などを考えると、
目先の感情に負けずに、
これから先の長い一生の事を考えて欲しいと思いました。

渡辺さんが「くーた」との暮らしをあらためて振り返ってみた所、
「今まで飼ってきたわんこ達も人の心を理解し、
 とても頭が良いと思ってきたけれど、
 しかし陽性強化法によるレッスンは間違いなく
 大きな違いを作ったそうです。
 言い換えれば正しい方法でレッスンをしないのは、
 犬たちが持つ潜在的な能力や魅力を引き出してやらないと言う事。
 それはまた、犬と暮らす醍醐味を
 十二分に味わい尽くしていない事にもなる。
 これほど楽しい経験を知らずに過ごすなんて、
 こんな勿体無いことはない!」
と言う文章に共感しました。
もし、しつけは怖いとか可哀想とか思っていたり、
避妊&去勢が自然に反する事で可哀想と思っていたりしたら、
同じように思っていた人が書かれたこの本を読む事で
そう言う考え方もあるのかと思って貰えるのでは無いかと思いました。

この本は後半から「くーた」のお話から離れ、
現状のペットショップの問題、殺処分の問題、
ノーリードにする愛犬家と言われてる人達の問題。
ドッグフードの問題、動物病院の問題点などが
書かれていましたが、個人的に興味深かったのは
動物病院の裏の問題・・
根本的な知識や技術の習得システムについてですね。
(まぁ、その辺は長くなりますので
 是非、実際に読んで欲しいと思います)

誰でもそうですが、
自分の飼い方や考え方が正しいと思っていると
自分の行動を疑う事すらしないので
問題点に気づき難い事が多いです。
だから、わんこを飼い始めた人は勿論、
何十年とわんこを飼われて来て
今更、わんこの本なんて読む必要なんて無い。
と思っている人にこそ、読んで欲しい本だと思います。
オススメです♪ (^▼^)ノ
カテゴリ :わんこ本などから・・ トラックバック(-) コメント(-)
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